1998/08/08 ラクダはラクか!?ツーリングだよGrenadiers!

グレ結成初のロングツーリングそれは、ある夜の接待が発端だった・・・・。




梅雨入り宣言が出され日本の景気も、より湿りまくっていた6月中旬。

場所は新宿歌舞伎町の超高級キャバクラ。

しげちゃんは建築関係のオジサマ達を接待中であった。

 

しげちゃん:「いやぁ〜、今日は最高っすよ!こんな凄いトコまで教えて頂いちゃいまして」

オジサマ:「がっはっははは!君だって若いんだから、ホントは良く来るだろ?

わしらの若い時ゃ〜それこそ毎晩だったぞ?」

しげちゃん:「そ、そ〜なんすかぁ!?やっぱ違うなぁ〜僕なんて毎回、近所のスナックですよぉ」

(つ〜か、金出してんのは、・・・)

オジサマ:「ダメだなぁ〜、わしなんか、どんな時もイイ女をオカズに置かず!だぞ?がっはっはははは!」

しげちゃん:「・・・・・。あははははっ!うまいっ!」

 

そんな世紀末トークが支配する地獄で、だんだんと憂鬱になってきていた。

オジサマ達は、場内指名かけまくりで、スポンサーしげちゃんは仮払いで持ってきた経費足りるかドッキドキで目立たないトコで始終沈黙。

そんな時、一人のあぶれたキャバ嬢が寄ってきた。

 

さやか嬢:「飲まないんですかぁ?作りますよぉ?」

しげちゃん:「あ、うん、俺、いいから、あっちの人達に接客してあげて。」

さやか嬢:「あれ?お客さんバイク乗る人?」

しげちゃん:「え?なんで?」

さやか嬢:「ん?だって、ほら。」

 

と言って指差した先には、まるで変な病気のように、カドヤハンマー焼けしたしげちゃんの手があった。

しげちゃん:「あ、これかぁ、良くわかったね。みんなゴルフとか言うのにさ。あ!もしかしてお姉さんも乗るの?」

さやか嬢:「そりゃ〜もぉ!」

と、まぁ、ここまでは良くある飲み屋でのエピソードだが、

このねぇーちゃんの話ったら、俺なんかの興味引くツボばっかりバスバス撃ってくる。

当然、他の客そっちのけでバイクバカワールド展開。

しげちゃん:「あ、もうこんな時間じゃん。」

さて、そろそろ帰らないとなぁ〜などと思いはじめ、チェックを要求しようとしたその時!

 

さやか嬢:「鳥取砂丘のラクダに乗った事ある?

しげちゃん:「ぶふっ!!な、なにっ!?おい!今、なんつった!!」

さやか嬢:「え?だからぁ、砂丘のラクダ・・・。知らない?おもしろいよ。」

しげちゃん:「!!!!(ポカ〜ン)」

さやか嬢:「えっとねぇ、広〜い砂漠に放し飼いみたいになってて乗れるんだよ。」

しげちゃん:「・・・・・・・。(放心状態)」

さやか嬢:「それでね、それでね・・・・etc」

 

そのまま放心し続け、気が付くと閉店間際。

頭の中に勝閧ノ広がった[月の砂漠ワールド]←(もち乗ってる。)から引き戻されると

目の前には¥160,000−の伝票がポツンと・・・。

しげちゃん:「はうっ!!」

いつの間にかオジサマ達は帰ってしまい、ニコスカードは店長に没収

しかし、収穫はデカイ!!と無理やりに開き直ってグレ東京支部に直行。

 

当時しげちゃん、えの、けいすけ、かげの4人は25歳にもなって、池袋のアパートで合宿のよ〜なヘンテコ同棲をしていた。

常に溜まり場。つ〜か共同生活。

みんなそれぞれ仕事から帰ると、「おかえり!」とか声を揃えて出迎えてくれる状態だった。

 

しげちゃん:「ちぃ〜〜〜〜す。」

 

一応けいすけ名義のアパートの中では、各自がまったりしている。

まるでテメェんち家のごとくジャージ姿でテレビを観るえの。

狭いベッドの上でマンガに没頭するけいすけ。

遠い目をしてギター弾いてるかげ。

いつもと同じ光景が広がる6畳一間の男のみ、むさ苦しさマキシマムの暗黒世界・・・・。

しげちゃん:「おいっ、今日、凄ぇ〜こと聞いて来たんよ。」

かげ:「なになに?」

しげちゃん:「次回のツーリング先が決まったわ。」

えの:「だから何処だよっ」

しげちゃん:「鳥取。」

けいすけ:「鳥取ぃ!?何でまた?」

しげちゃん:「いや、鳥取砂丘って聞いた事あんだろ?なんかホントに砂漠みてぇになってるらしぃんだわ。で、なんとラクダ放し飼いなんだと。砂漠に。エジプトだよエジプト!!」

一同:「うっ!!ま、マジぃ!?」

 

かげ:「そ、それ乗れるの!?」

 

けいすけ:「うそ〜〜〜ん!?」

えの:「何コブ!何コブなんだよ!!」

しげちゃん:「あ、いや、コブの数は聞いてねぇけど・・・・。普通そこ聞くかぁ!?」

かげ:「いや、大事でしょ。一コブか二コブか。」

えの:「乗るべ。いや、むしろ乗りまわすべ!」

 

事の真偽など確かめようとする奴なんか一人も出ず、ラクダ話に夢中の馬鹿集団グレ。

 

かげ:「じゃ〜さぁ、ターバンとか持ってくべ〜よ。」

えの:「先が反り返った靴もいるでしょ。ブッチャーみてぇなの。」

しげちゃん:「どわっはははは!!いるいる!!写真撮って年賀状にすんべよ。僕は今エジプトを満喫しています。日本は寒いですか?とか書きてぇ〜〜〜っ!!」

けいすけ:「ちょ、ちょっとまって、俺、酒だすわ。」

 

こうして鳥取砂丘ツーリングは決定した。

いいのか!?これで!?

いや、いいでしょ。

 そして出発!いざ!ラクダ!!

8月8日。行けるメンバーは、けいすけの家に泊まって朝9時出発。←前日深酒 

メンバー

かげ:けいすけ:しげちゃん

えの達は仕事の調整が付かず断念。かなりゴネてた。

にっちゃんは、仕事のめどが付き次第合流するとの事。

でも、その時日本のドコにいるかもわからない連中と合流なんて出来るのだろ〜か?

先の事はあまり考えず、とりあえず出発!

 

前日おおまかに決めた予定は、

8月8日 しげちゃんの実家がある伊豆で行われる同窓会キャンプにグレも出席。

↑しげちゃん同窓会が断れなかった為。

8月9日 伊豆出発→かげと深夜にさまよって食いそこねたエビフリャーを喰らいに名古屋に行く。

8月10日〜12日ぐらいに鳥取に着いて、オアシス気分でラクダ満喫。

8月13日〜14日で日本海まわって能登半島で砂浜走り能登島でキャンプ。

8月15日〜16日で愛する心の故郷、黒部ダムを見て帰る。

と、まぁロクに地図も見ないで前日の飲み会で話した日程のまんま。

ミニ日本一周って感じで先行きかなり不安なハズなのに、なぜかとっても面白い。

い〜ねぇ〜バイク。さ、出発!

 


しかし、出発早々銀行寄って金おろすけいすけ。

ディスカウントショップとか寄り、でっかいバック買ったりゴム紐買ったりするかげ。

準備しとけよ!んなもんっ!