2001/03/12〜2001/04/03 影ニンジャ、エンジン製作

日付

作業内容
2001/03/12 遂にバルブが磨きあがった。
ガレージの建設作業の合間にバルブを研磨する。ただひたすらに研磨する。


その結果16本全てのバルブが鏡面になった。
あとは業者に任せてバルブシートカット、修正、擦り合わせをやってもらえば、
ヘッドの組みつけにはいれる。


永かったバルブ磨きの日々・・・・。
いろんな道具を試したけど、やっぱり地道にやるしかなかった。
さて、これがシートカットから戻ってきたらヘッドの組みつけだ。

2001/03/13 南海部品にヘッドを持っていく。
担当がいなかったのでメカニックの人を呼んでもらい説明。
メカニックの人が言うには、細かいこと言わなくても、業者さんは良いようにやってくれるから心配しないでってことだった。

現状のバルブシートの状態は、半数近くが、シートカットが必要なほど、燃焼室加工時に損傷している。
当たりをチェックしてみたが、接触しない所もある。圧縮ゼロ。
2001/03/25 ヘッドを取りに行く。

戻ってきたシリンダーヘッド。バルブの組み合わせがくるわない様に、ガムテープで止めてある。
帰ったら、バルブに番号書いとこう。

イン側バルブ。ここまでするの辛かった。
ピカピカに磨かれた金属は、なぜか見ていて飽きない。

これは、バルブスプリングリテーナー。16バルブなら16個ある部品。バルブ一つに当然一つ使う。
重量合わせの為、2つだけそれぞれ0.2gと0.1g削った。

バルブ重量合わせ
動弁系の部品とやらは、なるべく同じ重さの方がいいらしい。がんばって合わせたんだけど、多少違いがあるので、その辺をこのリテーナーでちょうじり合わせる事にする。

リテーナーはバランスとってないから、これだけばらつきがある。これを逆手に取り調整に使う。
8.7g が1個、8.8gが5個、8.9gが6個、9.0gが3個の16個。これをパズルの様に組み合せて・・・

シリンダーNO
バルブNO   1 2  3  4  5  6  7  8 
INバルブ 29.0g  28.9g  28.9g  28.9g  28.8g  28.8g  28.9g  28.9g 
リテーナ 8.7g 8.8g 8.8g 8.8g 8.9g 8.9g 8.8g 8.8g
バルブ単体計 37.7g 37.7g 37.7g 37.7g 37.7g 37.7g 37.7g 37.7g
シリンダー計 75.4g 75.4g 75.4g 75.4g
バルブNO   1 2  3  4  5  6  7  8 
EXバルブ 25.6g  25.6g  25.5g  25.5g  25.7g  25.6g  25.6g  25.6g 
リテーナ 8.9g 8.9g 9.0g 9.0g 9.0g 8.9g 8.9g 9.0g
バルブ単体計 34.5g 34.5g 34.5g 34.5g 34.7g 34.5g 34.5g 34.6g
シリンダー計 69.0g 69.0g 69.2g 69.1g


組み合せた結果、EX側の3番シリンダーが0.2g、4番シリンダーが0.1g超過してるのでリテーナーを削って調整。

そして、IN側は、75.4g、EX側は69.0gで重量あわせ完了。

今度は、ロッカーアームの重量合わせをする事にしよう。

2001/04/01

バルブを組んでみよう。
戻ってきたヘッドに、バルブを組みつけていく。

こんな感じでバルブスプリングコンプレッサーでスプリングを縮めコッターを入れて止める。
これを16バルブ分やる。

とりあえず吸気側を全部つけた。試しにロッカーアームを一つだけつけてみると・・・・

やっぱりだめだ!

残念ながらこのままでは、リテーナーの形状がニンジャと違う為タペット調整のときのシクネスゲージが入らない!

このままでは、組んだところで走る事は出来ない!!

ひとまず全部つけてみよう。

2001/04/02

昨日に引き続きバルブの組みつけ。
ひとまず全部のバルブを組みつけた。

どうするか。このままでは、タペットが調整できない・・・・・

ここまでできちゃったのに、残念だ・・・・・

2001/04/03 リテーナーの形状の問題・・・・

どうするか考えた結果、ZX10同様リテーナーにシムを組んで、さらにタペット調整をする事を考えついた。
しかし、シムをパーツリストで探してみると、1個¥440もする。¥440×16で¥7,040!冒険するにはきわどい金額だ。

しかも問題は、それだけではなく、ニンジャ(ZX900A)は、吸気側バルブ長が89.0mmに対し、ZX10(ZX1000B)は、89.5mmと0.5mm長い。まあ0.5mmぐらいなら、タペット調整のスクリューで調整できると思い、この計画に踏みきったわけだが、この状態に、さらに2.5mmぐらいのシムを重ねるとなると、カムシャフトのプロフィールどころか、バルブの突き出し量が変わってしまい無理だ。

バルブ断面図。

このように、ZX10は、バルブの頭がリテーナーの中に入っちゃう。ニンジャはでてる。

ニンジャのリテーナーがつけば問題無しじゃないか?

ニンジャのがついちゃえば問題ない。合わせてみたら・・・・

ぴったりだ。リテーナーもいらなかったか・・・・

これで、ZX10のバルブコンバートに使う為に買った部品のうち、

49002-1097 バルブガイドZX1000B     ¥770×16=¥12,320
12009-1058 バルブスプリングリテーナZX10B ¥320×16= ¥5,120

が無駄になった・・・。

バルブ重量合わせ再び!

ニンジャのリテーナーを計ってみると、6.7g が1個、6.8gが11個、6.9gが4個の16個。

6.8gのを一つ削り6.7gにした。

シリンダーNO
バルブNO   1 2  3  4  5  6  7  8 
INバルブ 29.0g  28.9g  28.9g  28.9g  28.8g  28.8g  28.9g  28.9g 
リテーナ 6.7g 6.8g 6.8g 6.8g 6.9g 6.9g 6.8g 6.8g
バルブ単体計 35.7g 35.7g 35.7g 35.7g 35.7g 35.7g 35.7g 35.7g
シリンダー計 71.4g 71.4g 71.4g 71.4g
バルブNO   1 2  3  4  5  6  7  8 
EXバルブ 25.6g  25.6g  25.5g  25.5g  25.7g  25.6g  25.6g  25.6g 
リテーナ 6.8g 6.8g 6.9g 6.9g 6.7g 6.8g 6.8g 6.8g
バルブ単体計 32.4g 32.4g 32.4g 32.4g 32.4g 32.4g 32.4g 32.4g
シリンダー計 64.8g 64.8g 64.8g 64.8g


カムシャフト組みつけ
もうここまで来ると今日中にクランキングしてみたくてしょうがない。
はたして、ピストンとバルブは干渉するのか?


カムチェーンを合わせる。
まず、クランクシャフトを#1,#4上死点に合わせる。カムシャフトの取りつけは、この状態で、EX側のカムにチェーンをかけて、たるみがないようにホルダーにセット。
このときに写真の矢印部分のカムスプロケットのマークをヘッドのヘリに合わせる。合わせた所からチェーンのコマ35個目と36個目の間にIN側カムスプロケットのマークを合わせる。
カムスプロケットのマークには、「EX」、「IN」と書いてあるのでEX側は、「EX」、IN側は「IN」をそれぞれ合わせる。


カムホルダーの締め付け。
カムホルダーは、写真矢印部分から締めていく。
#1,#4上死点であれば、IN側#3とEX側#2のカム山(赤い丸の場所)がバルブを押し下げているはず。
このカム山の両脇のホルダーから締めていかないと、カムシャフトに無理な力がかかり折れてしまう。

あと、ニンジャのカムスプロケットには、取りつけボルトが4箇所あるので、カム取りつけ時には注意が必要。
誤った側の穴でつけようとしても、カムシャフトのタイミングがずれてしまいつけられない。
これを無理につけようとホルダーを締めこんでいくと、カムが折れる。
カムホルダーの締め付けが異常に硬かったら要確認!


カムシャフト取りつけ終了!
さて、カムシャフトはついた。クランキングのテストだ!

カム取りつけ終了時には、#1、#4上死点なので、そこから回していく。
そしてまもなく一回転と思ったとき!

ガキッ

まわらない・・・・バルブが当たってる。ピストンに。

はたしてバルブはどのぐらい下がっているのか、ヘッドをのぞいてみると、タペット調整のスクリューがかなりねじ込んである事に気がついた。

忘れていたタペット調整を行いもう一度クランキング。

#2、#3上死点を越え、#1、#4上死点に戻ってきた。
もう一度まわしてみる。ちゃんと回る!

とりあえず、バルブはピストンと干渉しない事がわかった。